【学生団体の今と未来vol.2】全国に広がる学生団体の波(NLM喜多)

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前回は「2013年の学生団体界隈の流行とは?」というテーマで書かせていただきましたが、
連載第2回目はすこし視野を広げ、
「全国に広がる学生団体の波」についてお話しさせていただきたいと思います。

全国の学生団体の全体像

最近、「学生団体」という言葉が世間に定着しつつありますが、
その活動の多くは地域単位で行われており、
ゆえに他地域の学生団体事情はなかなか分かりづらくなっています。

個人的な興味で数えてみたところ、1000を超える学生団体が全国に存在することがわかりました。
その数は年々増えているようで、ひとつの全国的なムーブメントを織りなしているように思われます。

では、その全国の学生団体ブームが、どのような特色を持っているかを読み解くことで、
自分の団体の活動をどうすれば全国に広めることができるのかを考えてみたいと思います。

全国の学生団体ブームを読み解く3つの鍵

1.支部展開の波

東京で成功した優良モデルが、全国で大学単位で広がっています。
優良モデルの定義は、「シンプルでやりがいがあること」です。

例えば、全国60大学に支部を持つStudy For Twoは、学生からいらなくなった教科書を集め、
販売し、その収益をラオスに寄付しています。
支部が全国100大学以上にあるTable For TwoはTFTメニューを開発し、
1食売れるごとに、途上国に1食を寄付しています。

教科書や食事を売るというシンプルな活動や途上国への支援という社会貢献につながるというモデルは、
横展開する際にとても伝わりやすいと言えます。
その他、アイセックも多くの大学に支部があるのですが、この団体は半世紀にわたり続き、
全国どころか全世界に支部があり、高度に仕組化されているので、学生団体としては別格かもしれません。

その他には、キッカケ、学生ドリプラ、Answer、FEST、SIVIOなど、
関東と関西で支部をもつ団体はかなりありますが、それ以上となると数は限られてきてしまいます。
全国展開の壁は相当厚いようですが、その壁を突き破るモデルをつくることができれば、
50、100を超える支部を展開することができ、
それは全国へ学生団体という存在を拡げることに一役買っていると思われます。

一つ目の鍵は、「優良モデルによる支部展開」です。

2.プラットフォーム化の流れ

同じ分野の団体同士がつながることで、力をつける事例が、去年からよく見られるようになりました。

例としては、医療分野で医療学生ラウンジが全国の医療学生とネットワークをもち、
IFMSA-Japan, 日本国際保健医療学会学生部会(jaih-s), (一社)日本薬学生連盟,
栄養学生団体N, 栄養・学生団体fun, 救命救急師学生団体PSA, 看護学生団体ION,
看護学生団体SHINE, 医療系学生サークルMEDICUS, 医師のキャリアパスを考える医学生の会,
WLB for Joy
などとこの夏、合同でイベントを行った実績があります。

国際協力の分野では、全国国際協力学生団体連盟UYIC
国際協力系学生団体30団体以上で互いに互いの活動を応援する仕組みを作り上げています。

震災復興の分野でTYC3.11が震災系団体20団体で合同新歓を開催したり、
代表同士が密にコミュニケーションをとり、様々な企画を行っています。

ワークライフバランスの分野では、凛、リケチェン、Presence、N.W.R、ジョシカツ、
Power of Woman
などがカラフルリーダーズとして互いに活動を盛り上げる動きがあります。

最もプラットフォーム化が活発なのは一次産業の分野で、
学生団体いろりは全国の一次産業系41団体を集め、
農林水産省とともに東京で宿泊イベントを行うなど、素晴らしい活動をしています。

このような全国規模でのプラットフォーム化の流れは、全国の学生団体ブームに大きく貢献しています。
東京での進んだノウハウや刺激が、地方の学生団体に伝えられるほか、
東京で開催されるイベントの規模が格段に大きくなると、社会的な影響力が高まり、
その分野に注目が集まり、全国的に活動が盛り上がります。
また、そこから経済的支援を受けられることもあるようです。

ただ、プラットフォーム化は一筋縄でいくようなものではありません。
互いの団体の活動が忙しい中、代表同士の密なコミュニケーションによる価値観のすり合わせや、
プロジェクトを強力に推進するプラットフォーム団体の献身的な働きによって、
はじめて成しえるものだと思います。

二つ目の鍵は、「分野毎のプラットフォーム化」です。

3.地方ごとの特色

全国にある学生団体は、地域ごとに様々な特色をもっています。
ヒアリングベースですが、おおまかな特色について説明させていただきます。
(ざっくりとした分析なので、読んだ方でご意見ある方は、ガンガン言っていただけると嬉しいです。)

”九州”では合同新歓や大規模イベント、AFFCTの全県展開など、九州内で活発な動きがあります。
「社会問題を解決しよう!」というイメージよりは、
エンターテイメントを通じて活動する色が強い感じがします。

”四国”では学生団体は数えるほどしかないものの、香川の三木くんが中心となり、
大きなイベントがぽつぽつと現れ始めている。他の地域とのアクセスが良くないなか、
どう独自の学生団体の文化をつくっていくか、とても楽しみです。

”中国地方”は、県によっては動きがあります。
平和教育が広がる広島では国際協力系団体がいくつか合同で一緒にイベントを開催したり、
鳥取は農業の分野で全国から学生団体集めたり、
岡山でもいくつか団体ができたりなど、ここ数年で活気が出てきたのではないでしょうか。

”関西”は東京に次ぐ熱気があります。数は東京ほどではないものの、
国際協力、キャリア、復興支援、東京と同じくらいのバリュエーションで、
様々な団体がありますが、各々独立して活動しているイメージがあり、
連携などはなかなか進んでいない模様です。

”中部”は名古屋一極集中で、内向きの志向が強いですが、
地方では関西に次ぐ学生団体数を誇ります。
他地域と比べて東京と近い分、NLMやパジャコレを通じて入ってきた新しい刺激が、
今後名古屋をどう変えていくのかがとても気になるところです。

”北陸”はまだ学生団体の活動があまり活性化していないものの、
ハブとなる社会人が中心となり、早期から一つのまとまりができつつあります。
そのため、学生団体合同イベントも開催され、新聞に取り上げられることもありました。
他地域と連携し、最新の情報にキャッチアップできれば
今後の伸びはどの地域よりも早いかもしれないですね。

”東北”は仙台が中心に活動が盛んでありますが、東北内で完結している感があります。
震災復興という日本共通の課題があるものの、うまく他地域とのタイアップができていません。
むしろ東北の社会人と他地域の学生団体は密に連携を図っているところが多いです。
原因は様々あるようですが、互いが気持ちよく活動できる仕組みづくりや、
テーマ設定を考えていくことが今後のカギを握ると思われます。

”北海道”は札幌を中心に活動が盛んだと聞いています。
TFTやSFTなど全国展開の団体の支部があるほか、
北海道の土地柄を反映してか、農業や環境系の団体が多いようです。

最後の鍵は、「地域の特色に合わせた活動展開」です。

これから全国規模に広げていくために考えるべきこと
以上、3つの鍵をふまえた上で、全国に活動を広げていくためには、
以下のことが必要になってくるのではないでしょうか。

1.シンプルなモデルを作ろう

どこの団体も、「やりがい」をつくることには長けていると思うのですが、
それをいかにシンプルにするのかは、簡単なようで難しいことだと思います。

規模が価値を生む活動内容であれば、「活動モデルの単純化」にぜひチャレンジしてみてください。

2.同じ分野の仲間と積極的にコミュニケーションを取ろう

自分たちの学生団体の活動で忙しいかもしれませんが、
活動を広げていくためには、多くの仲間と協力する必要があります。

他人といっしょに何かをやるためには、オンラインだけでは不十分で、
必ず対面で会って、自分の考えを伝えなければなりません。
労力はかかりますが、その分野のプラットフォームとなることができれば、
活動の幅と深さは学生の域を超えることも可能かもしれません。

3.地域の特性を考えて、彼らに合った提案をしよう

自分の学生団体と異なる地域の人たちに、
自分たちの活動内容を無理やり押し付けても、受け入れられることは難しいと思います。
それぞれの地域ごとに大切にしている価値観があり、
それに合わせたカタチでアレンジして一緒にやっていくことが必要なのではないでしょうか。

さいごに

全国に広がる学生団体の波は、今後も広がっていくと思います。
それはとても楽しみなことでありますが、両手放しで喜べることでは無く、
学生団体にも様々な問題があり、社会からの批判の声もあります。

次回からはそういった面にも着目し、記事を書いていきたいと思います。
次回もよろしくお願いします。

前回の記事は以下の通りです。
【学生団体の今と未来vol.1】2013年の学生団体界隈の流行とは?(NLM喜多)