【学生団体の今と未来vol.3】学生団体の闇と光~強まる学生団体への批判~(NLM喜多)

shine

第3回は「学生団体の闇と光~強まる学生団体への批判~」です。
第1回は「2013年の学生団体界隈の流行とは?」
第2回は「全国に広がる学生団体の波」でした。

学生団体はいいことばかりではない

「学生団体」といえば、「社会問題を解決しようとしている学生の集まり」や、
「社会に影響を与えるべく活動している学生の組織」などのポジティブなイメージがある一方で、
それとは反対にマイナスのイメージも強くあります。
むしろ近年、「意識の高い学生(笑)」に代表されるように、様々な批判があります。

「社会人ごっこしてるだけ」
「成果に拘らず、仲間内で自尊心を満たし合っているだけ」
「就活で他の人を見下す」

などなど、挙げればキリがないのですが、
『学生団体に入るべきでない理由100パターン』
に上手くまとまっているので、興味のある方は読んでみてください。

シンプルに言えば「大したことできないのに、偉そうなこと語るな。」ということなんだと思います。

学生団体は社会を変えているのか

この数年間、ずっとこの界隈を注視してきたのですが、
たしかに、学生や学生団体が大きく社会を変えたところを僕は見たことがありません。

もちろん小さなところでは確かに成果が出ていますが、
「寄付するためにイベントするより、アルバイトして貯めたお金で寄付するほうが効率よくね?」
という意見もあるわけです。

本気で志を持ち、様々な活動をしてきた学生は、
卒業してからリスクを取りNPOを立ち上げたり起業しているか、
(Youth Createの原田さんやリディラバの安部さんは個人的にとても凄いなあと思っています)
就職して死にもの狂いで頑張っているか、
(社会人になった大学の尊敬する同期が国のため社会のため、
毎日26時帰宅という話を聞くと、頭が上がりません)
院や海外に進みひたすらに専門性を高めているか、
(海外の院に飛び込む友人は特に本気な傾向にあります)
いずれにせよ粛々と努力を積み重ねています。

仮に学生から社会を変えられるとしたら、何もかもかなぐり捨てて、
ひたすらに社会という厚く高い壁を叩き続けた人間だけだと思います。
0からはじめ、途上国の教育格差無くすべく奮闘している、
e-Educationの税所くんはとてもいい例だと思います。

学生団体の矛盾する2つの側面

とはいえ、そういうある意味ぶっ飛んだ人間だけが、大きな志を持った人間だけが、
学生団体をやる資格があるのかと言うと、全くそうではないと思います。

そもそも今の学生団体には2つの側面があると思います。

社会的意義を掲げ追求する「企業、NPO的側面」と、
仲間や学生生活の充実を求める「サークル的側面」の2つです。

学生団体への批判は前者の「企業的側面」のみを前提としている傾向にある気がします。
「理念を掲げたんだからやりきれよ、逃げんなよ、血反吐はけよ」みたいに。
学生団体として社会というフィールドに足を踏み入れたのなら、
社会のルールに従え、という意見は正論だと思います。

一方で見過ごしがちなのはサークル的側面です。
「大学生だから、仲間で和気あいあいと楽しく」
といった要素を学生団体から完全に排除しようと思ったら難しいのではないでしょうか。

学業も、バイトもあり、多くの学生がここの側面を少なからず持っています。
それは社会人から見たらある意味「甘え」かもしれません。
ですが、「仲間で楽しくやりたい」という思いは、日本の大学生としては正常な感覚だと思います。
そうじゃないと現実問題としてメンバーはモチベーションを保てないですし、
学生団体のメンバー全員が何もかも捨てて、ストイックにギラギラしていたら、
それはそれでまたおかしいことだと思います。

「サークル」と「企業」の間にあるような存在が学生団体であると、僕は思っています。
二つの矛盾した側面を持っているからこそ、学生団体は存在しますし、
それゆえ賛同と批判の両方を受けているのではないでしょうか。

今まで遊んでばかりいた大学生が学生団体に入って社会貢献に取り組むことはいいことだと思いますし、
学生団体という概念は広まればいいと個人的に思っています。
ただ、それが特別えらいことだと思わず、社会におんぶにだっこされている身分ということを忘れずに、
謙虚にいられたらいいですよね。自戒の意味も込めてですが。

学生団体は今結果出さなくてもいい

問題ばかりで歪みがどんどん大きくなる今の日本で、
社会問題に関心を向けることは、僕はとてもよいことだと思っています。

今の日本で、社会問題の解決をアイデンティティーとするのは悪いことではないと思います。
みんなが自分自身の人生と向き合い、社会問題に関心を持ち、
自分ができる範囲で解決に取り組む社会ができれば、それはとっても素敵な社会で、
その入り口としては、学生団体は丁度いいのでは、とも考えています。

たとえ、学生時代に「なにか社会を良くしたいな」と思って、学生団体をはじめて、
でも結果を残せず、辞めて引退してしまっても、それでもいいと思います。

結果は今出さなくてもいい。
社会人になってスキルや余裕を身につけて、またこの「社会問題の解決」という場に戻ってくればいい。
普段の仕事も大変で、家庭もあって、忙しいけど、それでもこの場に戻ってきたい。

学生団体での経験は、社会人になってそう思えるような依り処のときもあるのではないでしょうか。

実際に、一度社会人になって、多くの方がこの場に戻ってきているのを僕は知っています。
なので、学生団体の皆さんは批判に耳を傾けつつも、思うがままに活動してみればいいと思います。
そこで得た感性、仲間、想いは人生を豊かにしてくれ、
いつかは社会を変える力になる、まだ20代前半ですが、そんな気がしています。

cf. 『4年間の「意識の高い学生」を終えて』
http://ameblo.jp/kosukekita/entry-11608107595.html

学生団体ひとつひとつや、メンバーひとりひとりを見れば問題も多々あり、
社会に大きな影響を与えているとは言い難いのですが、
この「学生団体」というムーブメント全体を見れば、大きな社会的意義が見えてくると思います。

次回は最終回になりますが、この学生団体というムーブメントがどうすれば全体感をもって、
社会をよりよくできるのか、僕自身の活動と絡めてその可能性を示唆できればいいな、
と思っています。

また次回もよろしくお願いします。