【学生団体の今と未来vol.4】学生キャリア三国志~「学生団体」が無くなる日~(NLM喜多)

sangoku

学生キャリア三国志
第1回「2013年の学生団体界隈の流行とは?」に書いた通り、
学生のキャリアに対する意識は今後高まっていくと考えています。

意識の高まった学生は行動する。

その行動の選択肢の1つに、現在、学生だけで活動する【学生団体】があります。
ほかの選択肢は、社会人と一緒に活動する【企業インターン、NPO、NGO】
海外に出ていく【バックパッカー、留学】がまずパッと思い浮かびます。

そう、この構図はまさに三国志

「人の魅力で支えられる(蜀)学生団体」VS「組織や地力で勝る(魏)インターン」
VS「川を隔てた立地が要の(呉)海外経験」

の三つ巴で、学生のキャリアの選択肢を争うのが現状と考えています。

現状はどうなっているか

まずは学生団体以外の選択肢から見てみたいと思います。

インターンに関しては、就活開始が遅れることで早期からのインターンが、
学生にとっても企業にとっても、ますます重要性を増すと予想できます。

現状全学生の数%しかないインターン経験比率を50%にすると安部総理が口にしているのだから、
インターンが伸びないわけがないと考えています。

海外に関してもこれまた国を挙げて留学支援が行われており、
また、事を成したい学生にとってもグローバル化が進む現代において、
海外に出る経験はもはや必須と言えるのかもしれないです。

では、学生団体はどうでしょうか。
ほかの選択肢と比べて魅力的と言えるでしょうか。

個人的な主観ですが、現状はまだ存在感を示していると思われます。
しっかりと実力がつくインターンはまだ数が少なく、また社会人と濃いやり取りをするがゆえに、
ついさっきまで高校生だった1,2年生にはまだハードルが高く感じられてしまいます。

それなら気軽に始められて、かつやりがいと楽しさの要素の両方を持ち合わせている学生団体は、
選択肢としてそれなりに魅力的に映るはずです。
c.f.第3回「学生団体の闇と光~強まる学生団体への批判~」

また、海外はどうしても金銭的な制約がついてしまう場合が多いです。
さらに英語教育を十分には受けていないこの世代にとって、
海外のハードルは思っている以上に高いと考えています。

インターン/海外経験の今後と学生団体の未来

しかし、今後となればまた話が変わってきます。

インターン制度が整備され、魅力的なプログラムが多数開発されるとしたら。。
英語を話し安価で海外に行くのが大学生にとって当たり前になるとしたら。。

日本の学生にとって学生団体をやる意味はあるのでしょうか。
サークルと企業の間にある「中途半端な」存在の学生団体は生き残れるのでしょうか。

今活躍する大きな学生団体の代表=蜀の武将がいなくなってしまった後、
後続が育たないとどうなるでしょうか?

1つの可能性として考えられるのは「学生団体のサークル化」です。

社会的意義を達成したり成長を求める場がNPOや企業インターンに奪われるとしたら、
大学生のもう一つのミッションである「大学生活の充実」を重んじる場として、
学生団体は普及する可能性を秘めていると言えます。

実際にこの風潮を肌で感じている人も多いのではないでしょうか。
学生団体のほとんどは、社会を大きく変えることを本気で目指しているわけではないはずです。
むしろメンバー間の仲の良さがモチベーションとなってタスクをこなすことも多いでしょう。

もう1つの可能性として考えられるのは、「学生団体と、企業インターンやNPOとの協力」です。

自分の人生を考える「キャリア」という言葉をキーワードに、
企業とNPOと学生団体が手を取り合い社会問題解決に取り組み、その過程で学生が成長する。
社会人と学生の対話を通じ学生のキャリア観を向上させ、
その延長線上に採用(就活)があるというモデルです。
すでに省庁や企業と提携して事業をこなす学生団体は数多く存在しています。

これは1つ目の可能性とは矛盾せず、「学生団体の二極化」というカタチで結論を迎えるでしょう。

学生キャリア三国志はこうなるのかもしれない

「魏」ことインターンが、「蜀」こと今の学生団体の半分を呑み込む。
もう半分はサークルに近づくようにキャリアの本線からは遠ざかる。
図らずも本物の三国志のような結末で一応の区切りがつくのかもしれません。

海外経験こと「呉」が「魏」の延長線上にある採用システムに、
呑み込まれるのはまだ先のことか、それとも思った以上に早いのか。

もちろんこれらは東京の話で、インターンをやれる企業自体が少なく、
留学制度が整っていない「地方」はまだ学生団体が伸びていく余地があります。
c.f第2回「全国に広がる学生団体の波」

消えるもの、消えないもの。変わるもの、変わらないもの。

いずれにせよ、今のカタチの学生団体になったのもつい10年、20年前のことで、
その前の時代から学生団体の形態は社会情勢を受けて大きく姿を変えてきました。

実際にここに書かせていただいたように変化していくかは定かではないですが、
学生団体は、今後もカタチを変えていくように思われます。
変わることを受け入れられない学生団体は消えていくし、変わることができる団体は続いていきます。
もちろん、学生団体という言葉自体が無くなる可能性もあるでしょう。

学生団体ひとつひとつは消えても、続いても、どちらでも悪くないと、個人的には思っています。

どんどん団体が消えていき、その分学生が新しいことを0から立ち上げ、
仲間や社会を巻き込んでいく過程は、成長を伴うチャレンジとして価値のあるものですし、
団体がずっとコミュニティとして続いて社会に影響を与えつつ、
下の代へと想いを受け継ぐ場として機能するのもまた価値だと思います。

しかしながら、変わらぬものとして、
「僕ら若者は自らの想いに従い行動し、人を巻き込んで活動することを止めない」
ことを、国内海外の歴史が証明しています。
そういった意味で、社会に向けて行動する若者の集まりを広義の「学生団体」というならば、
学生団体が無くなることはないかもしれません。
そういったムーブメントはあっていいと思うし、今後も続いていってほしいと思います。

人に行動することを強制してはいけないし、学生団体をやっているから偉いってわけでもない。
それでも、僕は、自分と他者と社会を想い、向き合い、行動する人が増えたら、とは思うのです。

だから、学生団体、いいと思います。

あとがき

今まで記事を読んでくださりありがとうございました。

まだ未熟者なのに偉そうなことを語ってしまい、すいませんでした(笑)
連載はこれにて終了になりますが、僕個人に、
学生団体やキャリアに関して相談をしてもらっても大丈夫ですし、
今後は全国の学生団体を巻き込み、支援する一般社団法人を立ち上げ活動していきます。

20年後、問題の積み重なった日本を背負っていくのは、今学生の僕らです。
今でも、5年後でも、20年後でも、皆さんと一緒にこの社会をより良くできたら幸いです。
思うところがあれば、ぜひ声をかけていただければと思います。
僕は20年後のための大きな「流れ」をつくっていきたいと思っています。

今後ともよろしくお願い致します。

喜多恒介