生活にも企業にも大きな影響を及ぼす原油安の理由くらいは常識として知っておくべし


ライターの柳田です。(@venice0215
車に頻繁に乗る学生なら気になるかもしれませんが、最近ガソリン安くないですか?
「?」をつけましたがガソリンだけでなく、原油そのものが実際安くなってます。

車云々の話だけでなく、原油は企業の活動や、車のように生活の経済と、幅広い分野で私たちに大きな影響を及ぼします。

身近だからこそ「最近安いね」だけでなく、「なぜ」なのかは常識として知っておくべきです。
ということで、今回は中東関連ではあるものの、常識の範囲内として簡潔に原油安の背景についてご紹介します!

アメリカでのシェールガス革命

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エネルギー資源と聞くと、どうしても中東やロシアのイメージを持つと思います。
もちろん世界の資源のほとんどはこれらの地域に眠っています。
しかし2013年に起きたアメリカでのシェールガス開発の進展(シェールガス革命)が大きな影響力を持つようになりました。

シェールガスとは?

地下には、シェール層と呼ばれる層が存在します。
この層の中には石油や天然ガスが眠っています。
しかし従来の技術ではこの層に眠る資源を抽出することが困難でした。

ところがアメリカの企業がシェール層から天然ガスを低コスト抽出する技術を生み出すことに成功したのです。
この層から取れる天然ガスのことをシェールガスと呼びます。

シェールガス革命でアメリカがエネルギーを自給できるようになった

アメリカは国内で使用される膨大なエネルギーをサウジアラビアを中心として、他国からの輸入に依存していました。

しかしシェールガス革命によってアメリカがエネルギーを自給できる見通しが付くようになりました。

需要の低下の結果、価格が下落

需要と供給の関係を考えてみましょう。
アメリカではシェールガス革命によって他国への原油に対する需要が大幅に減りました。

需要が減れば価格は低下します。
しかしこれだけで今回の大幅な原油価格の下落が起きたわけではありません。

減産を見送った産油国

通常の場合、需要が低下した場合、産油国は減産(文字どおり原油の生産量を下げる)し、価格を調整します。

しかし今回は産油国の筆頭国であるサウジアラビアが減産を拒否し、それに続くような形でOPEC(石油輸出国機構)も減産を見送る決定をしました。
このサウジアラビアの判断については諸説あります。

・1980年代にサウジアラビアが中心に減産したことで石油に占めるシェアを大幅に失ったことへのトラウマ
・今回の需要の低下が大規模なため減産したところで効果がないという認識を持っていた

何れにしても結果的にはサウジアラビアとOPECの判断は失敗したと言えそうです。

現に、あまりにも原油価格が下落したために、サウジアラビアは国営の石油開発企業であるサウジアラムコを上場させることを検討していると報じられました。(http://matome.naver.jp/odai/2145228714803640401

「上場の何が問題なの?」と思われるかもしれませんね。
サウジアラビアは国営企業であり、サウジアラビア王国という性質上、国営=王室の所有物です。
王室の所有物を上場すなわち売りに出すのですからいかに今回の下落が響いていることがわかります。

最後に

今回の原油価格下落の背景には、アメリカでのシェールガス革命、サウジアラビアやOPECの減産見送りの判断など複数の要素が存在します。

身の回りの出来事の「なぜ」を突き詰めることは思考を養う上でもとても重要なことなので、今回の原油価格低下だけでなく、様々な出来事の理由を突き詰めてみてはいかがでしょうか。

ABOUTこの記事をかいた人

柳田哲

やなごん。 将来の夢は日本と中東の架け橋になること。 アラビア語・イスラームについて勉強していて中東をおもに放浪してます。 家系図作成もしていて、先祖を400年辿ることに成功しました。