本当に危険なの?渡航延期勧告の出ているパレスチナに行ってみた


今年初め、イスラーム国によって日本人2人が殺害された際も、同情意見だけでなく自己責任論など様々な批判的な意見が飛び交いました。
確かに外務省が危険勧告を出しているところに行くことには反対意見が多いのも当たり前です。

しかしその情報を全て鵜呑みにして「あの辺は全部危険」と考えるのはいかがなものでしょうか。

事前の下調べ、基本的な心構えさえしっかりしていれば身に危険が及ぶことはほぼありません。
現地の情報を全く把握していないのに「危険だから」という理由で旅行先から省いてしまうのはとても勿体ないことです。

今回は、外務省から『渡航延期勧告』が出ているパレスチナ自治区を実際に訪れてみて自分自身が感じたことをご紹介します。

パレスチナ自治区って?


パレスチナ自治区とは、イスラエルの中にあるパレスチナ人による自治区です。
ユダヤ教、キリスト教、イスラーム教にとっても聖地であるエルサレムを抱えるこの地域には何百年もの間多くの宗教・民族が共生している地でした。
しかし第二次世界大戦後にこの地にイスラエルが建国して以来、聖地を巡る紛争や民族・宗教間の紛争が絶えない不安定な地域です。

1970年代に日本の高度経済成長が止まりましたが、これもイスラエルと周辺アラブ諸国の戦争による石油価格高騰が原因です。
2014年の夏にガザでイスラエルによる空爆があったことは日本でも大きく報道されていましたね。
あの出来事もイスラエルとパレスチナの対立によって引き起こされたものです。

外務省の出す渡航情報は必ずしも正確なものではない

今回訪れた中でも、外務省から『渡航延期勧告』が出されているヘブロン。
外務省が出している海外安全情報では全部で5段階のレベルに分かれています。

・危険情報なし
・十分注意
・渡航の是非を検討してください
・渡航の延期をお勧めします
・退避を勧告します。渡航を延期してください。

という項目です。
上から下に行くほど危険レベルは高くなります。

渡航延期勧告とは、「滞在中の方は事情の許す限り早期の退避をお勧めします」という勧告です。
もちろん戦争状態にある、感染症が広がっているなど異例の自体が発生している場合には近づくのは間違いです。
これらの理由ではなくても最高レベルの場所に行くことは絶対に避けたほうがいいです。

しかし局地的なテロや事件でその国を一括りに危険と判断するのも間違いです。
4段階目の警告までは必ずしも危険なわけではないという場合が多くあります。

私自身行く前には周りの多くの人から「危ないよ」「帰ってこられるの」という言葉をかけられました。
現地に行ってみたら、そんな言葉が全部信じられないほど居心地の良い場所でした。

日本人を歓迎してくれる町ヘブロン


パレスチナで行った町の中でも特に居心地が良かったのが、ヘブロンという町です。
なぜ居心地が良かったかというと、そのホスピタリティです。
町を歩いているだけで何人、何十人という人たちから話しかけられます。
「どこから来たの?」と尋ねられ「日本からだよ」と答えるだけで様々な人が集まってくるほどです。

『日本人』というだけで家に招かれ、ご馳走になったのはお茶やコーヒー、お菓子など数知れず。
結局お昼ご飯を食べなくてもその日は夜ご飯もいらないほど沢山のものをご馳走になりました。
アニメの話や日本の自動車の話などをひっきりなしに話しかけてくるほど日本への関心がとても高く非常に驚きました。

もちろんこれはヘブロンに限った話ではなく、他の町でも同様なことが多くありました。
パレスチナでは全体的に日本人は歓迎されているという印象を持ちました。
それなのに当の日本人たちから「危険」という偏見を持たれているのは悲しい気持ちになります。

危険という先入観だけで判断すべきではない

今回はパレスチナに限った話を紹介しましたが、世界にはまだまだ魅力的な地域が数多く存在します。
もちろん安全が第一ですし、有名な観光地を巡るのも素晴らしい体験です。
しかし旅先での基本さえ守っていれば多くの地域を快適に旅することができます。

表面的な情報だけで一括りにするのではなく、正確な情報をもとにまだメジャーではない地域を旅するのも貴重な体験となるので、ぜひ一度考えてみてはいかがでしょうか。

ABOUTこの記事をかいた人

柳田哲

やなごん。 将来の夢は日本と中東の架け橋になること。 アラビア語・イスラームについて勉強していて中東をおもに放浪してます。 家系図作成もしていて、先祖を400年辿ることに成功しました。