実は見当違いもいいところ!? 安保法制で耳にするホルムズ海峡とは?


ニュース番組や新聞だけでなく、TwitterやFacebookを始めとしたSNSで連日議論が交わされている安保法制の問題。
大半の学生にとってはこれまで聞きなれない言葉がたくさん出てきてよく分からないというのが実情だと思います。

例えば、安倍首相が海外での自衛隊活動に関する説明として頻繁にあげているホルムズ海峡。
学生のみなさんはそもそもホルムズ海峡がどこにあって、どれくらいの広さで、どれほど価値のある場所なのかほとんど知らないのではないでしょうか?

そこで今回は安保法制で頻繁に取り上げられるものの普段あまり聞き慣れていないホルムズ海峡についてご説明します!

これだけはおさえておきたい!ホルムズ海峡の基本情報

そもそもホルムズ海峡ってどこにあるの

ホルムズ海峡(ホルムズかいきょう、英語: Strait of Hormuz、ペルシア語: تنگه هرمز Tangeh-ye Hormoz‎)は、ペルシア湾とオマーン湾の間にある海峡である。北にイラン、南にオマーンの飛び地に挟まれている。
*出典:wikipedia『ホルムズ海峡』より

端的に言ってしまうと、イランと、アラビア半島に位置する国であるUAE、オマーンの間にある海峡をホルムズ海峡と呼びます。
この辺りの地形はとても入り組んでいるため、地図でしっかり確認することをお勧めします。

海峡って言ってもどれくらいの広さがあるの?

地図で見るととても狭く思えてしまうホルムズ海峡ですが、なんと最も狭い場所でも33kmもの幅があります。
よく日本で例えられる距離としては次のようなものがあります。

<関東>東京駅から国立駅
<関西>大阪駅から三ノ宮以上

もの距離があります。
まあ遠いですよね…。

どのような重要性があるのか

このあたりの地域は、石油の産出量が豊富です。
そのためアラビア半島の湾岸諸国やイランと石油を取引している国はこのホルムズ海峡を利用してタンカーを移動させ石油を得ています。
そのため石油をこれらの国々と取引している国にとっては石油確保における生命線とも呼べるほど重要な地となっています。

ホルムズ海峡が機雷によって封鎖される!?

今回の安保法制の話でホルムズ海峡が取り上げられているのを学生のみなさんは耳にしたことがあるでしょうか?
内容としては「万が一この海峡にイランが機雷を設置した際は機雷を除去する必要が有る。そのためには個別的自衛権では対処ができないので集団的自衛権の行使が必要である。」というものです。
そのような様子を描いたのが記事冒頭の風刺画ですね。

もちろん集団的自衛権を必要とする理由はこれだけではありませんが、その中でも中東における理由として、ホルムズ海峡の存在が一つとなっています。
確かに石油の輸出制限は大きなパニックをもたらします。
第四次中東戦争でも、アラブ諸国が石油の輸出に制限をかけたことで、日本でもオイル・ショックが発生しました。
少なくともこの海峡が重要な拠点であることは間違いありません。

ホルムズ海峡が封鎖される危険性は限りなくゼロに近い

しかし最初の項目を思い出してください。
ホルムズ海峡は最も狭い場所でも33kmもあります。
僕は関東に住んでいるので大阪から三ノ宮は想像できないのですが、東京駅から国立駅までを機雷で埋め尽くして封鎖するってこれは不可能ではないでしょうか…。

また、ホルムズ海峡を通る各国のタンカーの9割はイラン側ではなく、オマーン側を運行しているそうです。
ということは、もしイランがホルムズ海峡を本気で通行止めしようとすればオマーンの海域にも機雷をしきつめる必要があります。
しかしイランとオマーンは友好国。
他国の領域に機雷を巻くことは戦闘行為を意味するので外交上でよほど大きな問題が生じてこの2国の関係が悪化しない限りありえません。

そもそもイランは石油で大きな利益をあげています。
海峡を封鎖することはイランの石油産業にも大打撃を与えるので、言うなれば自分の首をしめているようなものです。

結論を述べると、もっともなように説明されていますが、ホルムズ海峡が封鎖された時のために集団的自衛権の行使を認めるというのは道理に合わないということがわかります。

いかがでしたか?
安保法制に関する情報はたくさん飛び回っていますが、ホルムズ海峡など個別の詳細はあまり報道されていないのが悲しいところですね。
少しでもホルムズ海峡に関してお分かりいただければ幸いです!

ABOUTこの記事をかいた人

柳田哲

やなごん。 将来の夢は日本と中東の架け橋になること。 アラビア語・イスラームについて勉強していて中東をおもに放浪してます。 家系図作成もしていて、先祖を400年辿ることに成功しました。