夢を行動に移しているロールモデル(=ろるも)となる大学生「ろるも学生」への取材24人目は…
次世代型!? “価値観”が変わる 『一日限定のシェフ』レストランの支配人、大久保 亘(おおくぼ わたる)さんです。
- 「食」の分野に興味のある学生
- 自分の価値観について悩んでいる学生
- 新しい事業に挑戦したい学生
へ学びと刺激を届けることができたら嬉しいです。
選択肢を広げるために行動する大学生
大久保さん、初めまして!
先日とあるイベントにて、大久保さんが計画されている「1日限定シェフ」について耳にし、興味が湧いて取材依頼をさせてもらいました。
なんだか新しい発想のお話が聞けそうで、楽しみです。
ではまず、自己紹介をしてもらっても宜しいでしょうか?
こんにちは!
早稲田大学教育学部公民科3年の大久保 亘(わたる)と申します。
現在は大学に通いながら、新しく創設する『一日限定のシェフ』レストランについての構想を進めております。
本日は宜しくお願いします。
授業もある中、貴重な時間をありがとございます。
今は大学3年生とのことですが、入学からの学生生活はどのようなことをされてきたのですか?
大学1年次は、割烹料理屋と武田塾という塾講師のアルバイト、サークル活動に明け暮れていました。まぁ普通の大学生だったと思います。
2年生になってからは、「広く浅く」から少し進めて専門的に活動をしてみたいと思ってきて、塾講師のアルバイトと、国際交流のサークルに注力しました。
そして3年生になった時に、大きな転機が訪れました。それは、家族全員での引っ越しでした。今まで安定的にバイトを築いていた分、新しい所で同じ条件で雇ってくれる所は絶対無いだろうと思っていたので、それまでの自分の強みを生かして思いきって起業をしたんです。
なるほど…!
引越しがきっかけで、働き方についても自身で深く考えるようになったという点が、すごいなぁと感じました。それで、現在の「1日限定シェフ」の事業を立ち上げたのですね!
「シェフが幸せなレストラン」から広がる輪

いえ、実はその時はまだシェフ事業でなく、「教育」に焦点を当てた起業でした。
『日本の教育にコーチング教育という新しい選択肢を作る』というビジョンを掲げて事業を進めてはいたものの、現実は数人の生徒をお小遣い程度のお金で教えている日々。毎日その矛盾と孤独に向き合っていました。
そして、気がつけば就活の影が段々とチラつき始め、いろいろ考えるようになり、
- 自分は残り二年間をこの業界でやり続けられるだろうか?
- 仮に続けられたとして、自分のやりたいビジョンに何㎝近づくんだろう?
という思いから、「もっと周囲の人を巻き込んだ、スピード感と規模感を感じられるビジネスに挑戦したい!」と考えるようになり、現在考案中の「食」に関わるビジネスの立ち上げを決意しました。
最初は塾などの「教育」分野の切り口からの事業だった、というのが驚きです。
でももしかすると現在のビジネスとも、何か共通する部分もあるのかもしれないので、後半でまた詳しく大久保さんのマインドや展望のようなものもお聞きできればと思いました。
それでは本題になるのですが、現在動き出している「1日限定シェフ」について、どのような事業なのか詳しく教えていただけますでしょうか?
「1日限定シェフ」とは、
週末にお客さんが少なくなる地域のレストランと、
(例:学生街、オフィス街)
週末に仕事や家事から離れて純粋に料理を作り、食べた人が喜ぶ顔を見たいという腕に自信のある料理好き達を
(例:主婦、社会人、学生、シェフ、生産者、外国人)
繋げて「1日限定のシェフレストラン」をやろうという事業です。
『シェフが幸せなレストランは、必ずお客さんも、食材自身も幸せになれる』という思いから、
- お品書きを廃止して、シェフの料理に対する思いを綴った手紙を食卓に置いたり
- 規格外という理由だけで廃棄されてしまう食材を生産者から直接いただきに行ったり
- 「食」に関する活動をしている人を定期的にゲストとして呼び、一緒に食事と会話を楽しんでもらったり
などを活動の例として考えています。
ということは、「レストラン」とは言っても固定の場所や活動にとらわれず、他地域で色々なことをテーマにして開催されるということですよね?
なんだか次世代型な、「シェア」的な要素が組み込まれた興味深い事業だと感じました。
例もあげながらの、丁寧な説明ありがとうございます。
でもなぜ、このシェフ事業を行おうと思ったのですか?
「料理の温かさ」が人を繋げるきっかけになる

この事業を始めようと思ったきっかけは、主に2つあります。
1つ目は、自分の両親が共働きで5歳の頃から自分で料理を作っていたこと。おかげで今は、冷蔵庫の残り物を組み合わせて美味しいご飯をつくったり、最近ではレストランで食べた料理の味を覚えて自宅で再現すること出来るようになりました(笑)。
そうした経験を積む中で親戚や大学生の友達に料理を提供する機会が自然と増え、新しい料理を作り続けるワクワク感と、その料理を食べて喜んだ顔をもっと沢山見たくなりました。
つまり、僕自身が純粋に「食」という世界に魅力を感じているということですね。
でも確かに、「家庭の味」なんて言葉があるように自宅でのんびりと囲む食卓には、特有の安心感や温かさなどがありますよね。
なかなか普通の大学生活では身につかないスキルだと思いますし、過去の経験を自分のスキルとして生かしている所が素敵だと思いました。
途中で口を挟んじゃってすみません。もう1つのきっかけも、教えていただけますか?
もう1つのきっかけは、先ほどのお話した大学生活の部分にも繋がるのですが、「卒業したら、仕事と家庭以外に自分の居場所を見つけるのは中々難しいんだな」と感じたことです。
確かに、週末にサーフィンやらキャンプやら映画鑑賞やら、趣味を個人で楽しもうと思えば楽しめるかもしれない。でも「食卓を囲む」っていうのは人集まらなきゃなかなか出来ないし、皆それぞれ事情があって簡単に集まりましょうとはなりにくい。
でももし、料理好きな人が自由に料理を作って表現ができる場所があったら、そこには「純粋なワクワク」や「食を通じた温かさ」が生まれるんじゃないかって考えて、この事業を始めました。
僕が大学の友達に料理を作るときに感じたあのワクワクや、「自分の居場所」を感じさせてくれるあの安心感が、「1日限定のシェフレストラン」ならきっと実現できるんです。
大久保さんの熱い思いが、しっかりと伝わってきたような気がしました。
素敵なサービスになりそうですね…!事業のこれからがとっても楽しみになってきたのですが、大久保さんの考える展望のようなものはあるんですか?
もし思い描いているものがあれば、ぜひ教えていただきたいです。
未来志向的な発想が、彼のこれからを創る

はい!
まずは地道に、関東圏のレストランや生産者の方、そしてシェフやお客さんとも繋がりの輪を広げていきたいと思っています。
すでに、レストラン2店舗と知り合いの農家さんが協力を表明してくれたので、このまま僕含め6人の運営メンバーと一緒に活動を広げていけば、規模を更に拡大していけるのではないかと思っています。
またこの活動は、もし就活することになっても土日に皆でやろうと思っているので、卒業後も続けようと考えていますね。
思い立ってからのスピード感や、スケールの意識が素晴らしいですね。
取材をしていても、何度も大久保さんの強い意志を感じるのですが、その原動力になっているものは一体なんなんですか?
もし意識していることなどがあれば、教えていただきたいです。
僕にとっての原動力は、「ワクワクする思いが芽生えること」にいつも至っていますね。
じゃあどういうときにワクワクするのか言うと、僕は何か課題を感じたときや、違う選択肢を見つけたときに、「将来課題が解決された後の姿」を想像するのですが、その変わった新しい姿にいつも魅了を感じていて。
僕は色々な場面で、自分の原動力「なんでその選択肢しかないんだ!」という想いを感じてしまうことが人より多いのかもしれません。
実は、冒頭でお話した「教育」についての興味や取り組みというものもこれに通ずるものがありまして、「新しい選択肢を渡す」「自分で考える力を養う」という目的を達成するために、コーチングなどを活用した教育に今後も関わっていけたらなとも思っています。
確かに、教育とは中学校のような公教育の場だけではなくて、職場の中や家庭で料理を教える時などの何気ない場面なども含めたら、みんなが生涯をかけて関わっていく分野ですもんね。
前半のお話では、大久保さんの「未来志向」的な感覚(未来から逆算的に物事を考えたり、創造していく感覚)を持っているのだと感じました。
最後まで興味をそそられる素敵なお話を、ありがとうございました!
以上、次世代型!? “価値観”が変わる 『一日限定のシェフ』レストランの支配人、大久保 亘(おおくぼ わたる)さんでした。
大久保さんについて「もっと知りたい!」という人や、彼の活動を「応援したい!」という人は、ぜひ下記のURLからチェック!
大久保 亘(おおくぼ わたる)
Facebook

次回のろるも学生もお楽しみに〜♪