vol.1『学生団体が継続できない理由とその解決策を考えてみた』
vol.2.『学生団体に必要な7つのスキルとそのスキルの活用方法』
vol.3.『10年継続する学生団体をつくるために導入すべき3つの戦略』
vol.4『「想い」と「スキル」があれば、なんだってできる』
長期的に続く学生団体の特徴はなんだと思いますか?
数十年となると、時代の移り変わりもあり、そこまで先のことを考えた組織づくりは難しいです。
ですが、10年継続する、となると、決して無理な期間ではなく、組織の仕組みづくりをしっかりさせれば可能です。
では、具体的にどんなことをすればいいか?
学生団体を継続させるために導入すべき戦略を今回は紹介します。
OBとの関係を深める
学生団体に関わるメンバーは一般的な学生団体だと毎年20~40人ほど増え、その数だけ引退します。
数年あれば関わったメンバーの総数は100名以上になるはずです。
自分たちが所属した学生団体であれば応援したい気持ちはあるでしょうし、そういったOBとしっかり繋がり、連絡がとれることはとてもプラスです。
具体的に出来ることとしては、
- イベント集客を依頼する/イベント参加を促す
- クラウドファンディングで活動資金を募る
- 社会人OBには協賛企業になれないか聞いてみる
などが挙げられます。
学生OBであればイベント集客には力になれるはずですし、社会人OBであればお金に余裕があり寄付や協賛企業を紹介する、など資金面で力になります。
そのためにも、OBとの関係性は強いことに越したことはありません。
OBとの関係性づくりで具体的にすべきこととして以下の施策をするとよいです。
- 名簿をつくる
- 現役メンバーとOBが接触する機会を設ける
- 団体HPでメンバー紹介を設ける
どんな場合でも連絡がとれるように、学生団体の名簿をしっかりと作っておくといいです。
名前、メールアドレス、電話番号、SNSアカウント、住所などがまとまっているといいかと思います。
LINEやFacebookで繋がっているから把握している、と思っている学生は多いかもしれません。
もちろんそういった形で繋がることは良い手段なのですが、連絡手段は時代によって変わりますし、SNSは決して誰もが絶対に使っているわけではありません。
また、定期的な飲み会を開催し直接話す場を設けることや、団体HPで紹介するのも良い手段だと思われます。
3世代ピラミッド型の組織にする
3世代ピラミッド型の組織とは、1年生、2年生、3年生のメンバーがいる組織になります。
学生団体の傾向として、1年間の所属で辞める、継続しても2年間と比較的短いです。
所属機関が短いと引継ぎの負担が大きく、メンバー数も多くなりにくいです。
特に、引退メンバーが多いときには、現役メンバーの負担が大きくなりすぎて活動規模の縮小に繋がります。
その解決策として「3世代ピラミッド型の組織」にすることです。
また、各世代ごとの役割は以下が一番いいと思います。
- 1年生:がむしゃらに頑張る
- 2年生:活動の中心となって行動する
- 3年生:組織の中心となり活動のサポートを行う
活動を推し進めるのはモチベーションと時間がある1年生。
2年生は1年目の経験を活かし活動方針を決め、1年生をまとめて活動の中心的な存在となる。
3年生は組織の中心となり、活動が円滑に進むような組織づくりを意識し、活動が大変なときにはサポートする。
今の学生団体には3年目の立場が少なく「活動が大変そうなときに迅速にサポートできない」「引継ぎができない」「組織づくりができない」といったマイナス面があります。
3年目の存在がいることで、活動の引継ぎは少しずつ行い、大変そうなときにはサポートする、ということができるのでおすすめです。
実際に動くことは少ないので、就活や他の活動と並行して関わることも決して無理ではありません。
1年単位の活動スケジュールにする
上記の3世代ピラミッド型の組織にするためには、1年生を春に参加させる必要があります。
(2年生が新メンバーだと2年目が就活と被り、活動の中心として動くのは中々厳しくなるため)
1年生を毎年入れるとしたら、春に新メンバー募集をする必要があり、1年単位の活動スケジュールになります。
理想的なスケジュールとしては以下になります(※イベント運営の学生団体の場合)
- 4月:新メンバー募集
- 5月:新メンバーを含めた体制で活動開始
- 6月~7月:夏に向けたイベント準備
- 8月~9月:イベント実施/合宿などの実施/メインイベントに向けた準備
- 10月~11月:メインイベントの実施
- 12月~1月:活動の締め/活動の引継ぎ/代表決め
- 2月~3月:新しい組織体制の確立/年間の活動スケジュール決め
夏季休暇は旅行に出掛けるメンバーもいるでしょうし、次のイベントに向けた準備期間がちょうどいいです。
また、活動にも慣れてややマンネリ化する時期でもあるため、合宿や遊びに行くなど仲を深め組織力を上げるといいです。
12月~1月は、年末年始休みと休み明けには後期試験があるため、活動はあまりできません。
ただ各々で考える時間は取れるため、今後の活動をどうするか考える時間にしていくといいです。
後期試験がひと段落する2月から次期に向けた活動ができるといいかと思います。
みなさんの学生団体はこれらがしっかりと出来ていますか?
これらは長く続いている学生団体の特徴でもあり、これら無くして継続させていくのは難しいとも言えます。
長期的に継続していく学生団体をつくりたいときには、この3つの施策をしっかりと抑えてみてください。
次回は、最後のコラムとして「学生団体にどんな可能性があるか」についてまとめたいと思います。
(*次回6月8日更新)